Acrolyta sp. Acrolyta属の一種

Acrolyta sp.

Acrolyta sp.

Acrolyta sp.

種不明その1。林道沿いでリョウブの葉にマイマイガの幼虫が止まっていました。多数の白い繭の塊の上に乗っていたので、体内寄生蜂が寄主から脱出した後だと思いました。近くに小さな蜂が止まっていた(上写真矢印)のは偶然でしょうか。

マイマイガ幼虫は時々頭を左右に振ってあたかも繭をガードするかのように威嚇するものの、歩行能力は奪われているようでした。

葉ごと採集して持ち帰ると、10日後に繭から小さな寄生蜂が羽化しました。その間にマイマイガ幼虫は斃死しました。(採食、移動、脱皮など一切なし)

なにしろ小さな蜂なので、接写するのも一苦労でした。(死骸を1mm方眼紙上で撮りました。)

(画像のハチは、ヒメバチ科トガリヒメバチ亜科の一種です。触角の形から、Acrolyta属の一種ではないかと思います。トガリヒメバチ亜科の小型の種には、サムライコマユバチの繭に寄生するものが多くいます。 by こにし様)

【1】マイマイガ幼虫(ブランコケムシ)の体内にコマユバチ♀(ブランコサムライコマユバチ?)が産卵

【2】育った蜂の子が毛虫の体外に脱出したのち営繭。

【3】その繭を狙ってトガリヒメバチ♀(Acrolyta sp.)が産卵して二重寄生が成立。

という複雑なストーリーなのですね。

繭塊の寄生率が100%とは限りませんので、羽化した蜂を一匹ずつ丹念に調べるべきでしたね。ざっと見てどれも同じ感じの蜂だったので、数匹を写真に撮っただけで全て処分してしまいました。葉上に見つけた際に繭塊の近くでウロウロしていた小さな蜂(当初は蝿かと思いました)も今思うと気になります。

2009年8月初旬 林道(標高約560m地点)@山形県/撮影者:しぐま様


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