Monthly Archives: 2月 2012
Cerceris hortivaga Kohl, 1880 ナミツチスガリ
ツチスガリがコハナバチらしきハチを狩っている場面に遭遇しました。ハチは2枚目の写真を撮った直後に飛び去りました。(ニッポンツチスガリやヒメツチスガリと斑紋が似ていますが、こちらはゾウムシ類を狩ります。 by 管理人) 2011年9月11日 兵庫県篠山市/撮影者:ハンマー様
踏み固められた林道の中央に小さな穴が3つ並んでいました。アリやミミズが掘ったように土が盛り上がった中央に巣穴が開いています。真ん中の巣穴bに出入りする蜂を採集したものです。初めて見る蜂でしたが頭でっかちで大顎が発達しています。なんとも可愛らしい蜂で、一目で気に入りました。体長12mm。
地中営巣性の蜂を観察するのは初めてだったので、この夏で一番嬉しい出会いの一つでした。上に添付した写真は巣穴bから出てきた蜂bを一時捕獲し、現場でCO2麻酔して撮ったものです。採集してしまうともう営巣行動を観察できなくなってしまうので、生かしたまま動きを止めてもらい同定用に接写しました。
その後は解放した♀bがどうなったか分かりませんが、隣の巣穴aに出入りする別個体♀aの活動を長時間、連続観察することが出来ました。♀aは右の触角が欠損していることから別個体と判明しました。互いに近い場所で集団営巣するのですね。巣坑aに出入りする様子をなんとか動画に収めたものの、獲物の運搬についてはどうしてもうまく撮れませんでした。来季以降の挑戦課題として楽しみに取っておきます。
獲物のコハナバチと思われる蜂の死骸(麻痺?)が巣の近くに転がっていました。もしかしたら、ツチスガリが獲物を運搬途中で落としたものかもしれません。時々この死骸に興味を示し飛びついてくる蜂がいたのですが、動きが速過ぎてよく見定められませんでした。
(ツチスガリの仲間は、集団的に営巣し、造巣活動は夜に行われるそうです(早朝にはしぐま様の写真のような土盛りができている)。まず坑道を掘り、連続的に狩りをして獲物を集め坑道内に狩り貯蔵し、それから育房を作るそうです。さらに、育房に続く坑道は固く埋めておく習性があるので、巣を掘り出してみても途中で坑道が全く不明になってしまうことが多いそうです。 by 管理人)

1番目の巣穴aを監視して出入りする蜂aを連続観察してみました。帰巣間隔が予想できなかったので、毎回入口に蓋をすることで蜂の帰巣を見落とさないよう工夫しました。少し邪魔してやることで小さなツチスガリの素早い動きを観察する時間を稼ぐ効果もあります。
しかし獲物の運搬はうまく撮れませんでした。帰巣して巣坑に頭から入る際、脚で土を掻き出し入口を仮閉鎖することがあるようです。外出時は頭から出てくるので、巣坑は中で方向転換できる広さがあるようです。その日の活動を終えると中から入口を閉鎖して巣篭りしました。
2010年8月下旬 山形県(里山・標高470m地点)/撮影者:しぐま様
何の躊躇も無く、飛んできてすぐに巣穴に入ってしまうので、レリースタイムラグが小さいとは言えない私のカメラにはきつい被写体でした。ハナバチを狩る。2006年7月 撮影者:ハンマー様
岩田先生によると、この蜂の営巣活動のリズムは非常に不規則だということです。坑道に獲物を蓄えていき、おもむろに育房を掘るといった具合だそうです。 2005年6月19日 佐賀県佐賀市/撮影者:ヒゲおやじ様
Stizus pulcherrimus (F. Smith, 1856) キアシハナダカバチモドキ
ハナダカバチモドキとは名ばかりで、飛翔はおっとりとした感じで、獲物の搬入も、巣穴の仮閉鎖を解くあたりまでは、ゆっくりしたイメージですが、自分の体が隠れるあたりから、加速する感じが独特です。穴が開いたとたん、スッと中に消える感じです。
偽穴も文書で読んだだけでしたが、実際に偽穴を伴った巣穴ははじめて見ました。
もうひとつ、巣穴を掘っていた個体を見ていると、仮閉鎖を終え、姿を消しましたが、それっきり、帰巣の気配がありません。3年前と同じ状況です。偽穴がどのタイミングで作られるか、巣抗堀りの実際の完成時間と、獲物搬入開始のタイミングはどうか等、確かめて見たい事が増えました。
写真は獲物搬入の後、再び入り口を仮閉鎖する蜂。 両側に1つずつ偽穴があります。翌日3つに増えますが、少年野球の観戦者によって崩されてしまいました。(巣は無事)2006年8月 撮影者:ヒゲおやじ様
営巣を終えてすぐの個体が巣穴を塞ぐところに出くわしましたが、すぐそばに2つの偽穴を伴った巣穴を発見、しばらく張っていると、朝10時30分ごろ、巣穴の確認に現れ、すぐ飛び去りました。その後は約1時間の間に4度獲物を持ち帰りましたが、全てオンブバッタのようでした。アワフキバチのように、獲物を中肢でホールドしたまま、前肢で一時閉鎖している穴を掘ります。 最初、獲物と重なるようになっていたのが、巣穴に入るときは、獲物の位置を少し後方にずらし、つっかえない様にして引き込んでいきます。他にもう1個体が巣穴を掘っていました。2006年8月 兵庫県/撮影者:ヒゲおやじ様
Gorytes sp. Gorytes属の一種
種不明その2。巣穴の一時閉鎖をするところです。縁の下の2センチほどの板の隙間から撮影しました。帰巣時は、アワフキムシを抱えたまま、巣穴を堀っていました。クロアナバチのように、傍らに置くことはしませんでした。2006年6月11日 佐賀県/撮影者:ヒゲおやじ様
種不明その1。先週雌が一匹うろついているのを見かけ、周りの環境からして、この境内に営巣しているに違いないと思って、注意していたら的中しました。神社の縁の下に数匹から十匹ほど営巣しているようでした。数回獲物をもっての帰巣を観察しましたが、すべて同じ種類のアワフキムシのようで、すべて成虫でした。2006年6月11日 佐賀県/撮影者:ヒゲおやじ様
Gorytes tricinctus (Perez, 1905) ミスジアワフキバチ

ミスジアワフキバチ

ミスジアワフキバチとヤドリバエ

モンキアワフキを巣穴に運び込むミスジアワフキバチ
尾瀬沼ビジターセンターの軒下で、ミスジアワフキバチが営巣していました。複数の個体が頻繁に飛来し、穴を掘っては獲物のモンキアワフキを運び入れていました。また、寄生しようと隙をうかがうようにヤドリバエの仲間が巣穴を窺っていました。2009年8月4日 福島県檜枝岐村/撮影者:管理人
尾瀬のビジターセンターで、たくさんの蜂がある日突然一斉に一生懸命穴を掘っていました。2008年7月 福島県尾瀬/撮影者:ケンモク様
午後に外から部屋に入ってきた蜂です。2006年7月8日 山形県飯豊町/撮影者:しぐま様
2004年6月26日 茨城県鹿嶋市/撮影者:さびきこり様